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学びは疑問から始まる

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地球温暖化の影響なのか、10月に入ったというのに夏でも秋でもないような気候が続きます。受験生にとっては、入試の現実がいよいよ視界に入ってくる時期ですね。

受験生なら、1点でもこそぎ取るための暗記法にすがりたくなるものです。

でも、ちょっと待ってください。

昨日ノーベル物理学賞の受賞が伝えられた真鍋淑郎氏も述べられているように、学びの基本は好奇心にあります。『好きこそ物の上手なれ』と昔から言われるように、問題を解くことに楽しさを見出してみましょう。疑問を抱き調べ考えると、これまで学んだ知識と複層的につながり、頭に定着します。


理科で定番の植物の話を例にあげてみましょう。植物の根が地中から吸収した水は、道管を経て葉に届き、気孔から蒸散します。これを暗記で片づけるのではなく、そもそも的な疑問から考えてみてはいかがでしょうか。


そもそも、なぜ根は地中の水を吸収できるのか?

そもそも、なぜ水は重力に逆らって道管をのぼるのか?

そもそも、なぜ水は気孔から蒸散するのか?


根が地中の水を吸収するのは、浸透圧が作用するからです。水が道管を上昇するのは、根圧や水の凝集力が作用するからです。水は葉の気孔から蒸散するので、切れ目なく根から水が補給されます。

???なんじゃ、難しいなと思われた方、言葉での説明が難解ならば、家庭でもできる実験で理解を深めてみましょう。

上記の作用をすべて示しているわけではありませんが、みなさんも耳にしたことがある毛細管現象も水の吸い上げに関連しています。

3つのビーカーには左から赤水40ml/空っぽ0ml/青水40mlが用意されています。ティッシュで作ったこよりを隣り合うビーカーに渡します。おっ、早くも赤水と青水がこよりを上り始めましたよ。

水は表面張力により、細いものをつたって昇る性質があります。コップ内のジュースにストローをさすとコップの水面よりもストロー内の水面の方が少しだけ高くなりますね。細ければ細いほど毛細管現象は大きくなります。


さて、真ん中のビーカーにはどこまで水がたまるでしょうか?

その色はどうなるでしょうか?

また、天使ちゃんはどこまで上昇するのでしょうか?


教科書に書かれたことをふ~んと飲み込むのではなく、疑ってみることも学びが楽しくなるコツです。

※実験結果はインスタでご覧ください。

 

夏の風物

夏の風物

夏が過ぎ去りました。

夏は人々の楽しそうな空気に誘われ、私のような中年男子の心も躍ります。私に、特別な夏のイベントは何もありませんが…。

今年も夏を演出する風物は控えめでした。ギラギラ太陽もあまり拝めませんでしたしね。

秋空が日々高くなる中、実験室から遅めの夏の風物をお届けします。

※インスタで他の色もご覧いただけます。

 

 

涼しい?空中浮遊

涼しい?空中浮遊

お盆らしからぬ長雨が去ると、厳しい残暑が戻ってきています。初秋の気配が感じられる中で、太平洋高気圧が最後の力をふり絞っているようです。

「暑い、死ぬ~」と文句を言いながらも、季節にはその季節ならではの気候が望ましい。猛暑の日のアイスクリームは格別だし、お風呂あがりは爽快だし、お酒は旨い。


暑くてバテている方へ、とある実験風景の一枚から涼をお届けします。

水槽の底に見える白い物体はドライアイスです。ご存じドライアイスは二酸化炭素の固体で、その温度はマイナス78℃を下回ります。素手で触るとピリピリして火傷しますから、手袋を着用して扱いましょう。

ドライアイスは食品の保存運搬・製造現場・舞台の演出などで幅広く利用されています。近頃は、例のワクチ〇を輸送保存する用途でも活躍しています。理科実験の現場でも、面白実験はもちろんのこと、試料の状態管理や実験環境の設定に重宝されます。


画像は、ドライアイスの上でシャボン玉を飛ばす実験を行った時のものです。シャボン玉は水槽の中で宙に浮いたまま静止します。

さて、なぜなのでしょうか?

えっ、「静止画だから静止している」とは言わないでくださいね。
(動画投稿のツールを所有していないので、ご勘弁を💦)

 

 

座学にはない実験の面白さ

座学にはない実験の面白さ

まもなく夏休みも終わりを迎えますね。お出かけの機会が少なくなってしまった夏休みを、学生の皆さんはどのように過ごしましたか?


受験勉強・課外活動・趣味に打ち込んだ人
テレビゲームやYouTubeを堪能した人
お手伝いに励んだ人
オリンピックとともに燃え尽きた人
ひたすら寝ていた人


さて、画像は滑車とばねの物理実験を行った様子です。ちょっと分かりにくいのですが、滑車を挟んで左にばねと錘(おもり)が、右に錘とばねがぶら下がっています。

滑車とばねは、受験や教科書で定番テーマとして登場します。定滑車は力の向きを変えるだけでかかる力の重さは変らない、と学習しますよね。すなわち、左右の錘は同じ重さでつり合うことになります。ところが現実にはつり合わず、滑車は左に回転します。

勘のいい方はお気づきでしょう。ばねにも重さがあるため、その分だけ左側が重くなるわけです。左右をつり合わせるために右の錘の下に左と同じばねをぶら下げれば、滑車はつり合います。

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問題では、「ただし、ばねの重さや糸の摩擦は考えないものとする。」との文言が加えられます。この文言に従えば計算で難なく解答できますが、実際は様々な要因が重なり合うために原因と対策を考えなければなりません。

これこそ、実験の面白さ。知識を活かして知恵とする頭の使い方はこうした学びの中に潜んでいます。

 

 

試行錯誤から得る学び

試行錯誤から得る学び

連日の猛暑に“涼”を感じられる写真!?いえ、決して怪しい写真ではありません。

今日のような日差しが照りつく夏の日にピンホールカメラで撮影しました。教室を暗室にして、現像作業を行いながら写真の仕組みを学びます。

理科実験のプログラムは季節や天候を考慮して決められます。光や写真関連の実験は、ギラギラした日差しが降り注ぐ夏の風物詩です。(そのように感じるのは私だけですね💦)

以前、天候と時間に恵まれなかった生徒さんが何とか撮影に成功しようと試行錯誤していました。露出時間を延長したり、撮影時刻による変化を調べたり、強力なストロボをたいてみたり…。何度も繰り返す内に季節が秋に移ろいましたが、理解と学習に繋がったことでしょう。

お膳立てされた実験よりも失敗を重ねて辿り着ける実験の方が面白く記憶に残ります。

理科塾では体系的なプログラムが組まれていても、マニュアル化されていない実験と指導を受講できます。

 

 

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